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デザイナーに特定の資格は必須ではありませんが、スキルアップや体系的な知識を習得するために役立つ資格は多数存在します。
主要な資格には色彩検定、ウェブデザイン技能検定、DTPエキスパートがあり、これらは実務において特に有用であるとされています。
しかし、資格取得を目指す際には、キャリア向上よりもスキルの向上を目的とすることが推奨されます。
資格取得のみを目的とする資格マニアにはならないように注意が必要です。
また、デザイナーにとって最も重要なのはポートフォリオであり、資格よりも自身の作品を通じて能力を示すことが重視されます。
さらに、ユーキャンなどの通信講座を利用して資格取得を目指すことも一つの手段として挙げられます。
デザイナーに資格は必要か
まず前提として、デザイナーという職業には免許資格はありません。
基本的なツールの扱いができればデザイナーとしての仕事はできます。
では何故、資格を取るかというとスキルアップのためです。
そこそこ有名所の資格だと、知識を体系的に学ぶことができ、実務にも転用しやすいものが多く、そこそこ役に立ちます。
その一方で、就職や転職でのアピールで取るのであれば、それはあまりおすすめしません。
現在でも履歴書には資格取得の欄が設けられていますが、デザイナーであれば最もアピールすべきはポートフォリオです。
あくまでスキルアップの一環として資格取得を捉えるほうが、僕は良いと考えています。
1番最悪なのは資格を取ることだけが目的となった「資格マニア」です。
趣味としては何も言いませんが、キャリア的に見ても無駄な資格取得は無意味なので気をつけましょう。
現役デザイナーが選ぶおすすめの資格3選
近年では、参入障壁の低さから資格ビジネスを展開する事業者が増えています。
中にはほとんど役に立たない資格も当然ありますが、今回はプロのデザイナー視点で、以下のポイントを満たす資格をご紹介します。
- 資格自体に知名度がある
- ちゃんと役に立つ
それでは1つずつ見ていきましょう。
色彩検定
文字通り、色彩に関する検定で、デザイナーの持つ資格としては1番有名です。
デザイナーはもちろん、ファッション関係や建設、飲食など多岐にわたる仕事でも活かせます。
僕自身も2級を持っていますが、色彩検定は仕事でも役に立つ事が多く、特に配色なんかの基本知識は色彩検定によるものが大きいです。
公式テキストを読んでおけば、そこまで難しくないので、色彩に関する知識をレベルアップさせたい方にはおすすめですね。
- 1級…プロフェッショナル向け
- 2級…実務に応用したい人向け
- 3級…初めて色を学ぶ人向け
ウェブデザイン技能検定
Web系の資格では珍しい国家資格。
ウェブデザインということで、画像処理やHTML、CSSといったサイト制作に必要な知識が必要です。
1~3級とあるのですが、2級以降は実務経験年数も受験条件として組み込まれており、他の資格に比べてもややハードルのあるものになっています。
一方で、ウェブデザイナーとしてのスキルをアピールするのは最適で、1~2級を持っていれば、一定の評価は得られそうです。
DTPエキスパート
そして続いて紹介するのがDTPエキスパート。
DTP自体をご存知ではない方もいるかと思いますが、DTPとはざっくり印刷物に関する工程を指します。
グラフィックデザイナーとよく混同されますが、基本的にデザインは行わず、あくまで出来上がった制作物のデータ調整を行い、出力するまでをサポートするイメージです。
もちろん、デザインを行う方もいますが。
DTPエキスパートは特に出版関係の仕事では重宝される資格ですね。
その他のデザイナーにおすすめ資格11選
個人的にはここまで紹介した3つの資格が多くの人にとって役立つと思っていますが、その他におすすめできる資格についても紹介しておきます。
- Webクリエイター能力認定試験(コーディング系)
- Illustator®クリエイター能力検定試験(ツール系)
- Photoshop®クリエイター能力検定試験(ツール系)
- カラーコーディネーター試験(色彩系)
- 色彩士検定(色彩系)
- CG-ARTS検定(CG・画像処理系)
- フォトマスター検定(写真系)
- DTP検定(DTP系)
- POP広告クリエイター(広告系)
- プロダクトデザイン検定(プロダクト系)
- マルチメディア検定(Web系)
上記資格は、それぞれ比較的名の知れた検定資格です。最初に紹介した資格より専門性の高い資格なので、ご自身の興味のあるものを受けてみるのが良いかと思います。
Webクリエイター能力認定試験(コーディング系)
Webクリエイター能力認定試験はコーディングに関するもので、2005年から始まった資格です。
いわゆるHTML/CSSといったウェブブラウザで表示するための実装を行うもので、問題はデザインカンプを参考にコーディングをするといった実務に近い形式のものになっています。
公式でも「世界標準に対応した初めての試験」という風に謳っており、全世界で通用するスキルなので、Web制に携わる人は必見。
Illustator®クリエイター能力検定試験(ツール系)
デザイナーであればご存知の方も多いAdobeのIllustrator。
Illustator®クリエイター能力検定試験はその名通り、Illustratorのツール技術に特化した内容になっています。
単にグラフィックコンテンツを作れば良いというわけではなく、ショートカットや素材の組み合わせなど普遍的な作業を効率よく行うことを求められます。
実務のデザイン制作では納期があるので効率性が大事になってきますが、そうした実務にも活かせる検定になっています。
Photoshop®クリエイター能力検定試験(ツール系)
続いてはPhotoshop®クリエイター能力検定試験。
これは先程と同様にPhotoshopの技術に関するもの。
写真を切り抜いてコラージュ作品を作るような内容になっており、Illustratorと同様にショートカットや素材管理など効率性も重要になってくる認定試験です。
カラーコーディネーター試験(色彩系)
最初に紹介した色彩検定とほとんど同じですが、カラーコディネーター試験というものもあります。
色彩検定が幅広い分野の色に関する内容を扱うのに対し、カラーコディネーターは色が与える心理的効果などやや専門性の高い分野になっています。
アパレルやファッション、美容といった分野の方におすすめなので、デザイナーであれば無理して取る必要はなさそうですね。
たまに色彩検定とカラーコディネーター両方持っている人もいるので、色に関するスペシャリストになりたい方は検討してみても良いかもしれません。
色彩士検定(色彩系)
色彩系でもう一つ有名なのが「色彩士検定」です。
これも正直内容は色彩検定とほとんど変わらないですが、特徴として実技試験があります。
絵の具が配布されて、混色の割合を問われるというもの。
ややレベルが高いですが、受験会場が色彩検定に比べて圧倒的に少ないので要注意。よりハイレベルな試験を求める方におすすめ。
CG-ARTS検定(CG・画像処理系)
続いてはCG-ARTS検定。
名前の通り画像処理に強みのある試験ですが、CG-ARTS検定というのはあくあまで試験の総称。
具体的には4つの試験に細分化されいます。
・Webデザイナー検定
・画像処理エンジニア検定
・CGエンジニア検定
デザイナーだとWebデザイナー検定があり、Webサイトの制作と運用に関する内容になっているのでWeb制作に関わる方はぴったりです。
他のWebデザイン系の検定と違い、コンセプトメイキングなど制作準備の段階から出題されるのでWeb制作の基礎部分から学べます。
あまりメジャーではないですが、CG-ARTS検定の中にマルチメディア検定というものもあります。
マルチメディアというのは画像や写真、動画などあらゆる媒体のことを指し、それらに関する知識を問われます。
ざっくり情報コミュニケーションといった内容になっているので万人受けはしませんが興味のある方はぜひ。
フォトマスター検定(写真系)
フォトマスター検定、通称フォト検。
デザイナーであればレタッチをはじめ、自ら撮影をする機会もあるかもしれません。
ちなみに僕もデザイナーですが業務の中で撮影のディレクション経験があります。
こうした写真、カメラに関する問題が出てくるのがこのフォトマスター検定。
DTPデザイナーなど写真素材をよく扱う人におすすめ。
DTP検定(DTP系)
続いてDTP検定。
印刷、編集に特化した内容になっており、Webが人気の時代なのでやや受験者数は減っていますが、出版系のデザイナーなんかには役に立ちます。
とはいえDTP検定よりかはDTPエキスパートのほうが受験者数も多く、就職や転職でのスキルとしては高く評価される傾向があるので、よほどのことがない限りはDTPエキスパートで良いと思いますね。
僕が通っていた専門学校では、DTP検定がカリキュラムに組み込まれていて全員受験していました。
POP広告クリエイター(広告系)
お店の中でよく見かけるPOP広告に関する認定試験。
ややマニアックですが試験内容は実技試験となっており、制限時間内にレタリングや装飾文字といった要素を盛り込んだPOP広告を制作します。
デザイナーというよりかは、販促に関わる人向けですがデザイナーの方が受けることもあるので一応あげておきます。
プロダクトデザイン検定(プロダクト系)
続いてはプロダクト検定。通称PD検定です。
名前の通りプロダクトに関するもので、工業製品に特化したデザインを出題されます。
工業デザイナー(インダストリアルデザイナー)に人気の資格なので、専門性が高いですが、この分野で活躍したい人にはおすすめです。
【職種別】デザイナーにおすすめの資格
ここまでの話を踏まえた上で、各職種別にデザイナーにおすすめの資格をまとめていきます。
グラフィックデザイナーにおすすめの資格
・Illustator®クリエイター能力検定試験(ツール系)
・Photoshop®クリエイター能力検定試験(ツール系)
グラフィックデザイナーにおすすめの資格は上記の3つ。
色彩検定は説明済みなので割愛、Illustrator&Photoshopのクリエイター能力検定試験はグラフィックデザインにおける主要ツールなので受けておいて損はないかと思います。
繰り返しになりますが、資格検定自体に大きな価値はないものの、学習媒体としては優秀です。
実務に活かせる知識を学べるので、特にIllustratorやPhotoshopを触り始めてまだ日が浅い人なんかは検討してみても良いと思います。
Webデザイナーにおすすめの資格
・マルチメディア検定
続いてWebデザイナーにおすすめの資格です。
これも先程説明したので詳しくは割愛しますが、ウェブデザイン技能検定が最もWebデザインをやる上で受けて損はない資格ですね。
加えてマルチメディア検定。
いわゆるITリテラシーを問われるもので、Web業界の人間であれば知っておくべき知識を学べます。
Webサイトのデザインはもちろん、UI / UXといった情報設計においても役立つので、チャレンジしてみても良いでしょう。
資格取得といえばユーキャンが有名ですが、サポートもしっかりしていて自宅で通信講座が受けられるので便利です。
今回紹介したカラーコーディネーター(色彩系)の講座も受講できるので、気になる方はユーキャンで資料請求&通信講座の申し込みをすることをおすすめします。
【まとめ】デザイナーにおすすめの資格
ということで今回はデザイナーが取っておくと良い資格を激選して紹介しました。
- デザイナーになるために資格取得は不要
- あくまでスキルアップのために資格取得は有効
- グラフィックデザイナーは色彩検定がおすすめ
- Webデザイナーはウェブデザイン技能検定がおすすめ
- 資格取得はユーキャン
個人的には特に色彩検定は、多くの人にとって役立つ資格だと思います。
ぜひ、チャレンジしてみて下さい!